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6月2日、3日に、谷沢健一さんが来校されました。

谷沢健一さんは、早稲田大学を卒業後、ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団され、新人王受賞、二度の首位打者獲得、2000本安打達成、二度のリーグ優勝貢献など、プロ野球選手として輝かしい成績をおさめられました。引退後は、野球評論家やプロ野球チームの打撃コーチとして活躍され、50才のときに早稲田大学大学院アジア太平洋研究科に入学され、国際経営学の修士号MBAを取得されました。

現在は、野球評論家という顔だけでなく、早稲田大学講師、東京大学野球部特別コーチ、NPO法人谷沢野球コミュニティ柏・理事長など様々な顔をお持ちです。また、野球界の国際的発展のためにも尽力されており、今年設立された、学生野球夏季リーグ「サンディエゴ・サマーリーグ」では、最高顧問として、メジャーリーグ球団を中心に日本を含め世界各国の野球リーグへ進むことのできる選手育成を目指していらっしゃいます。

本校においては、6月2日に、軟式野球部のご指導、6月3日には、月頭訓話でご講演、お昼休みには生徒達と一緒にお弁当を食べなから、直接お話を伺ったり、サインをいただく機会がありました。放課後は、軟式野球部メンバーと自衛隊野球チームとの合同指導をしていただきました。

月頭訓話でのご講演は、今後の人生に役立つ、楽しいお話ばかりでした。

• 東京大学野球部が94連敗もしていたが、去年から勝ち始めたお話。ものを大事にする、ボールを拾う、地面に穴ができたら土ならしする、といった基本的なことをまずしっかりすることが大事とのことでした。
• 東日本大震災に遭った、岩手、宮城、福島の中学生、野球少年少女70名を引き連れ、アメリカ遠征に行かれたお話。ニューヨーク・ブルックリンでは、生徒達と野球の試合、ヤンキー・スタジアムでメジャーリーグ観戦、英語でお互いの国や文化についてプレゼンテーション、サンディエゴでもメジャーリーグ観戦や大学訪問などされ、中学生にとって貴重な経験となったとのこと。
• アメリカの京セラを設立した技術者の自力と他力のメッセージは印象的でした。「人生航海を一人乗りのヨットと例えたとき、ヨットの帆を上げるのは自分、風の力が他力。自分が帆を半分まで上げたなら、風の力も半分しか得られない。しかし、帆を高く上げれば、風の力も倍以上に得られ、スイスイと航海できる。すなわち、自分が頑張れば頑張るほど、周囲の力を得られ、成功に導かれる。」
• 谷沢さんが高校時代、勉強する暇がなく、早稲田に行きたいと言ったら、先生に「行けるわけないだろう」と言われたが、一人英語の先生が「勉強のできる友達を探して、勉強の仕方を教わりなさい」と応援してくれたお話。夏の大会終わってから、友達を探し、必死になって勉強したら合格できたので、一生懸命取り組めば、まわりが反対しても成し遂げられる、と。
• 創立100周年に向かって、本校の生徒が元気いっぱい様々なことを学び、一人乗りのヨットで帆を高く上げ、風を受ける航海に飛び出し、そして地域のリーダー、日本のリーダー、国際的に活躍する人が、ここ誠英高校から生まれることを期待しているとおっしゃっていただきました。

また、講演中には、バットでボールを打って、大変盛り上がりました。

谷沢さん、夢と希望と情熱を持った素晴らしい方でした。ありがとうございました。また来てください。

〜プロフィール〜

野球評論家 谷沢 健一（やざわ けんいち）
出身地 : 千葉県柏市
生年月日 : 1947年9月22日
身長体重 : 179cm 80kg
投打 : 左投左打
守備位置 : 一塁手、左翼手
プロ入り : 1969年 ドラフト1位
初出場 : 1970年4月12日
経歴 : 習志野市立習志野高等学校 →早稲田大学 →中日ドラゴンズ（1970 – 1986）

1970年　ドラフト1位で中日ドラゴンズ入団　新人王受賞
1974年　巨人軍の10連覇を阻止して20年ぶりのリーグ優勝
1976年　初の首位打者
1978～1979年　持病のアキレス腱の炎症にて戦列離脱
1980年　カムバック　2度目の首位打者
1982年　リーグ優勝に4番打者として貢献
1985年　2000本安打達成
1986年　39歳で引退
1987～1993年　フジテレビ、ニッポン放送、サンケイスポーツ等、野球評論家活動
1994～1995年　西武ライオンズ打撃コーチ
1996年　再び、フジテレビ、東海ラジオ、東京中日スポーツ等、野球評論家活動
1998～1999年　母校、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科にて修士号MBA取得
2002年　早稲田大学客員教授として野球実技とスポーツ論担当（2012年より講師）
2005年　NPO法人「谷沢野球コミュ二ティ千葉」設立。理事長に就任
千葉県柏市を本拠地として社会人野球のクラブチーム（YBCフェニーズ）結成
2009年　NPO法人「日本ティーボール協会」副会長就任
2010年　東京大学運動会硬式野球部臨時コーチ就任（現在に至る）
2013年　野球評論家及び野球界発展の為活動中
著書　『谷沢健一の酒マッサージ』1985年　ABC出版
『勝利の演出者たち』1988年　毎日新聞カルチャーシティ
『プロ野球の今を撃つ』2005年　英潮社
『硬論軟論』2006年　英潮社
『野球のソムリエ』2010年　総合企画
NPO法人谷沢野球コミュニティ柏：http://www.ybc2005.jp/